ケアマネ試験対策一問一答(保健医療サービス分野)せん妄について
保健医療分野(一問一答)Blogおはようございます。
今日のケアマネ試験対策一問一答は、保健医療サービス分野の疾患系です。
次の記述は、正しいか誤りか答えよ。
【問題】せん妄は、さまざまな全身疾患に伴う非特異的な症状として出現する。
答え:正しい
解説
意識障害の一つにせん妄があります。
一般に意識障害のレベルはそれほど高くなく、一過性の認知機能低下、見当識障害、不眠、興奮錯乱、幻覚・幻聴など、さまざまな精神症状が現れます
特に興奮や錯乱を主体とした場合は、興奮覚醒型と言われ、夜間に大声を出して暴れたりします。
逆に反応性が低下して認知機能や見当識、注意力が低下してしまう傾眠低覚醒型もあります。
せん妄を引き起こす背景には、睡眠や覚醒リズムの障害があると言われています。
入院や施設入所などによる環境の変化、リズムの変化、手術前などの不安、アルコールや不安薬、場合によっては、風邪薬などの薬物の使用などがせん妄を起こす引き金になります。
認知症とは異なり、症状は一過性であることがほとんどで、通常は数週間で収まります。
せん妄は、特に夜間に多く見られ、昼間には異常は少なく、主に夜間に症状が現れる場合には「夜間せん妄」といいます。
せん妄は、時の経過とともに変動することが第一の特徴です。
そして、意識障害を引き起こす原因・誘因があり、それを取り除ければ、せん妄は消失します。
原因・誘因の第一は薬剤です。
脳のアセチルコリンを働かなくする薬剤(抗コリン薬)などがせん妄を引き起こします。
代表的な薬剤としては、H2ブロッカーと言われる胃薬(ガスター®など)、糖尿病に対する過活動膀胱治療薬、総合感冒薬(PL顆粒®など)、睡眠薬などがあります。
せん妄の原因・誘因(参考資料)
*薬剤:胃薬(制酸薬)、過活動膀胱治療薬、総合感冒薬抗アレルギー薬、抗不安薬など(最も多い原因:抗コリン作用を持つ薬剤に要注意)
*脳疾患:脳梗塞や脳出血の併発、慢性硬膜下血腫(頭部外傷)など。
*全身疾患:肺炎、う歯(虫歯)や歯髄炎、膀胱炎など。(炎症に注意、発熱や疼痛が誘因となる)
*全身状態:脱水、便秘、食事摂取不良、不眠(誘因となる)
*環境:身体拘束具、ベッド柵、照明や騒音など。(誘因となる)
これらの薬剤を中止することで、せん妄は消失します。
せん妄に対しては、原因・誘因の除去に加え、薬物療法が有効です。
せん妄の原因となる薬剤のチェックを含めて、せん妄に対応できる医師への相談が必要になります。
よって、この設問は、「正しい」となります。
解説は以上になります。
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