2024年ケアマネ試験【問題50】福祉サービス分野「介護保険における訪問介護」について
2024年ケアマネ試験問題・解説こんにちは
師走に入り、朝晩の冷え込みが一段と厳しくなってきましたね。特に、高齢者の方々にとって、この季節の寒さ対策は大きな課題となっています。
先日、訪問介護の現場では、利用者さんと一緒に炬燵に入りながら、昔の年末の思い出話に花が咲いていたそうです。「昔は大掃除を家族みんなでやったものよ」という懐かしい話に、介護スタッフも心温まる時間を過ごしたとか・・・
このように、訪問介護は、単なる身体介護やサービスの提供だけでなく、利用者さんの心に寄り添い、その人らしい生活を支える大切な役割を担っています。
この訪問介護について、介護保険制度における位置づけや実践的なポイントを詳しく学んでいきましょう。
今日は、問題50です。
【問題50】介護保険における訪問介護において正しいものはどれか。3つ選べ。
1.指定訪問介護事業所の管理者は、介護福祉士でなければならない。
2.サービス提供責任者は、利用者のサービスに関する意向を定期的に把握するものとする。
3.指定訪問介護事業者は、サービス提供中に事故が発生した場合は、市町村、利用者の家族、担当の居宅介護支援事業者等に連絡を行わなければならない。
4.居宅サービス計画にないサービスでも、利用者の要望があった場合には、訪問介護員は直ちに提供しなければならない。
5.指定訪問介護事業者は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。
さっそく解説をして行きたいと思います。
解説
1.誤り
管理者要件は、特段の専門資格は不要です。常勤1人、業務に支障がなければ、専従可能です。資格要件があるのは、サービス提供責任者です。
2.正しい
サービス提供責任者の1つに、利用者のサービスに関する意向を定期的に把握があります。
サービス提供責任者の主な業務内容
①訪問介護計画の作成・見直し
➁利用申し込みの調整
③利用者の状況把握と情報共有
④サービス担当者会議への出席
⑤訪問介護員への指示・技術指導
3.正しい
事故が発生した際には、関係機関(市町村、家族、担当ケアマネジャー)への連絡が、義務付けられています。この義務は、利用者を保護し、事業所の法的責任を明確にするための重要な規定です。訪問介護の限らず、共通の運営事項に規定されています。
4.誤り
訪問介護サービスは、原則として居宅サービス計画(ケアプラン)に基づいて提供されます。計画外のサービスを提供する場合には、ケアマネジャーとの相談・調整が必要であり、利用者の要望だけでサービスを提供することはできません。
5.正しい
業務継続計画(BCP)は、災害や緊急事態においてもサービスを維持するために必要な計画であり、定期的な見直しと更新が義務付けられています。サービス提供を継続的に行うことができます。厚労省は2021年、介護保険制度における常時サービスを提供する介護事業者(訪問介護、通所介護、施設系介護など)に対して、BCPの策定と実施を義務付けました。2024年度以降、すべての介護事業者において「災害対応BCP」と「感染症対応BCP」の双方の策定が求められています。
BCPについて詳細を知りたい方は、公式LINEより「BCP」コメントください。
解答:2.3.5
解説は以上です。
学習のポイント
*管理者とサービス提供者の違い
*事故発生時の対応方法
*業務継続計画(BCP)の理解
まとめ
訪問介護サービスの運営においては、介護保険法をはじめとする法令や運営基準に基づいた適切なサービス提供が求められています。
特に重要となるのが、利用者一人ひとりの状況に応じて作成されたケアプランに基づくサービスの提供であり、また事故が発生した際には、市町村や家族、担当ケアマネジャーへの迅速な報告と適切な対応が必要です。
さらに、近年の自然災害や感染症の発生などを踏まえ、業務継続計画(BCP)の策定と運用が義務化されており、介護事業者には安定したサービス提供体制の構築とともに、より一層の質の向上が求められています。
次回の予告
次回は、介護保険制度における「通所介護(デイサービス)」について詳しく解説します。
高齢者が住み慣れた自宅での生活を続けながら、日中のケアや機能訓練を受けられる通所介護の魅力とは何でしょうか?
ご家族の負担軽減や、地域包括ケアにおける重要な役割、さらにその具体的なサービス内容について、わかりやすくお伝えします。
通所介護がどのように利用者の生活を支え、人々の笑顔をつくるのか、その全貌に迫ります。
どうぞお楽しみに!
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