2024年ケアマネ試験【問題52】福祉サービス分野「介護保険における訪問入浴介護」について
2024年ケアマネ試験問題・解説こんにちは
12月に入り寒さも厳しくなりましたね。「寒い季節になると、お風呂に入るのが億劫になってしまう」という声をよく耳にしませんか?
特に、高齢者の方にとって、入浴は体を温めるだけでなく、心にも安らぎを与えてくれる大切な習慣です。
でも、家のお風呂が使いづらい、介助が必要で大変、といった理由から、入浴を諦めてしまう人も少なくありません。
そんな時に役立つのが『訪問入浴介護』です。
今日は、問題52「訪問入浴介護」について、具体的なサービス内容や現場での工夫について詳しく見ていきましょう!」
【問題52】介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.1回の訪問につき、看護職員1人及び介護職員2人で行った場合これらの者のうち1人を当該サービスの提供の責任者とする。
2.利用者が短期入所生活介護を利用している間も、その必要性が居宅サービス計画に記載されていれば、訪問入浴介護費を算定できる。
3.心身の状況により、訪問時に全身入浴が難しい場合、利用者の希望によって清拭や部分浴に変更することができる。
4.利用者の自宅に浴槽があっても訪問入浴介護を利用することができる。
5.終末期にある者は、利用することができない。
さっそく、解説をして行きましょう。
解説
1.正しい
原則、1回の訪問につき、看護職員1人及び介護職員2人で行った場合これらの者のうち1人を当該サービスの提供の責任者とする。「責任者」とは、サービス全体の責任を負うだけでなく、利用者の状態観察や適切なケアの提供、緊急時の対応など、現場でのリーダーシップも求められます。
2.誤り
訪問入浴介護は、利用者の自宅に専用の浴槽を持ち込んで提供するサービスであり、短期入所生活介護(ショートステイ)は施設内でのサービス提供が前提です。そのため、ショートステイ中に訪問入浴介護を利用する必要性がないため、算定対象外となります。
3.正しい
利用者の心身の状況の変化で、医師の指示によって、清拭や部分浴になり場合と利用者の希望で正式や部分浴になりこともあり、柔軟に対応できます。その場合には、所定の単位数の90%算定(10%減算)になります。2021年改正で変更になっていますので、古い過去問を解かれる方は、注意してください。
4.正しい
訪問入浴介護は、自宅の浴槽での入浴が困難な利用者に対して、事業者が持ち込んだ専用の浴槽を使用して入浴の介護を提供するサービスであり、利用者宅に浴室があっても訪問入浴介護が可能です。また、自宅の浴槽が狭くて入浴が困難な場合や、家族による入浴介助が難しい場合でも、訪問入浴介護を利用することで、安全で快適な入浴を提供できます。
5.誤り
終末期にあるものも訪問入浴介護を利用することができます。亡くなる直前まで訪問入浴介護を利用する事例もあります。終末期の方にとって、入浴は清潔を保つだけでなく、精神的な安らぎやQOLの向上に繋がる大切なケアです。訪問入浴介護は、そのようなニーズに応える貴重なサービスです。
また、看取り期は不安定な病状にあり、入浴中に容態が急変し、不測の事態となることもあります。そのため、利用に対しては主治医から事前に充分な説明を行った後、入浴可否の判断基準を個別に設定し、状態急変時の対応を決めておくなど、医療サービス等の綿密な連携体制の強化が重要です。
- 医師との連携:入浴可否の判断基準を事前に設定し、状態急変時の対応を決めておくこと
- 家族への説明:入浴中止となるバイタルサインの基準や、入浴のリスクについて十分に説明を行うこと
- スタッフの注意点:入浴中の容態急変に備え、看護職員が、常に利用者の状態を観察すること
訪問入浴介護に、看取り期の需要が高まっている現実を理解し、連絡体制を整えることが求められています。
解答:1.3.4
解説は以上です。
まとめ
今回の問題解説では、訪問入浴介護の基本的なルールや現場での対応について、過去にも出題されている項目でした。
特に、選択肢3や5のように、現場での柔軟な対応や医療との連携が求められる場面については、試験対策だけでなく実務にも役立つ知識です。
問題文の選択肢にはなかった「キーワード」も過去問と照らし合わせながら確認してください。毎年出題される単元ですので、整理しておきましょう!
次回の予告
次回は、問題53、「介護保険における短期入所生活介護」についての問題です!
短期入所生活介護は、利用者様の心身機能の維持・向上だけでなく、介護されているご家族の休息にも重要な役割を果たしています。次回は、この短期入所生活介護について、サービスの特徴や運営のポイントを詳しく解説していきます。
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